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女子大生の鍋

女子大生数人による、思想の闇鍋・オープンスペースです。

都会からの「田舎移住ブーム」に告ぐ

 
 私は田舎出身です。私の出身地は、県庁所在地でありながら人口は20万人くらいしかいない市です。
公共交通機関はあまり発達しておらず(利用者が少なく採算が取れないので)、スーパーマーケットに行くことすら、自家用車を持っていないとままなりませんでした。私の実家から徒歩3分のところに、5年ほど前コンビニが出来ましたが、それまで徒歩10分から15分圏内にコンビニは一軒もありませんでした。これでも、県庁から徒歩15分くらいのところに住んでいたんですよ。
駅前商店街はもちろんシャッター街でした。平日も活気がなく、郊外のスーパーマーケットに客を奪われていました。
 
 そんな地元にもいいところがありました。海の幸も山の幸も美味しくて、安い値段で手に入りましたし、高層ビルが皆無で空が広かったです。星もたくさん見えました。出身高校の近くには山があり、みんなでピクニックがてら登ったのもいい思い出です。
 
 要するに、とっても不便で自然がいっぱいな街に、大学進学を機に上京するまで住んでいた私ですが、近年の「田舎移住ブーム」にはたくさんの疑問があります。
田舎に憧れを抱く都市出身者の方々、田舎は「都会に疲れた」といった生ぬるい気持ちで移住できるところではありません。
特に、政令指定都市レベルの大都市にしか住んだことがない、という方はイメージ以上のギャップに相当苦労してしまうと思います。
 
 私はど田舎から東京に来ました。1ミリも後悔していません。今、毎日幸せです。出身県に戻ることは二度とないです。東京で就職すると、小学校高学年の時から決めていました。親にも東京に来てもらい、老後の面倒を見たいくらいです。(東京都も、23区以外は案外こじんまりしてますしね)
 
 では、私が田舎移住についての雑誌やテレビ特集を見る上で考えていることをまとめていきます。
田舎暮らしを考えるなら、以下のことをポイントにしていただきたいです。
 
1:交通機関などインフラの弱さに耐えられるか
     どれくらいのレベルの田舎に移住するかにもよりますが。。。
     私の出身県(ぼやかしててごめんなさい)を例にすると
  • 県庁所在地の駅でも普通列車が30分に一本くらいしかこない。ちなみに県内に路線は2本しかない。終電は22時台。夜遅くまで飲みに出るなんてできませんよ。田舎でも飲酒運転は犯罪。
  • でもバスが強いわけじゃない。バスも多くて20分に一本。時間にもよりますが、県庁所在地の市内以外は一時間に一本とか。
  • というわけで、自家用車を持っていないと話にならない。駐車場は安いけど。月に5000円とかだし。でも、例えば夫婦で移住する際に「夫は免許持ってる、嫁は持ってない」みたいな状況は意味ないです。どんなライフスタイルになるか、免許を持っている方の人にどんな災難が降りかかるか、なんてわからないですし、免許を取れる年齢なら絶対に免許取得すべきです。住むところによっては車無しではコンビニも行けません…。救急車もすぐ駆けつけませんし。(数が少ない上、山を越えなければ病院につかない…とかあり得ます。)車は、一家に一台ではなく一人一台持っておいた方が便利でした。維持費とガソリン代がやばい。
  • 上下水道完備ではない地域も日本にはまだ普通にあります。移住する前によく調べてください。
 
2:お店や病院などなど…が遠くても平気ですか?また、その質を気にしませんか?
  • 田舎では、徒歩やチャリ圏内にスーパーマーケットや病院があるのは相当ラッキーです。ないと思っておいた方がいい。田舎暮らしは意外と、面倒くさがりの人には向いてないかもです。
  • 持病を既にお持ちの方なども、田舎暮らしは向いていないです。空気がいいし症状が抑えられるかも、って考える人がいるのもわかります。しかし実際には、医者が少ないわ病院が遠いわで医療のレベルが低いです。病気の種類やその進行度によっては、何十キロも離れた街の、あるいは県外の病院にお世話にならないといけないと思います。私の祖父も同様の経験があり、入院時の準備やお見舞いも大変でした。また、家にいたら体調が急変!みたいな時も心配ですね。。
  • スーパーマーケットなど、日常の買い物の話に戻りますが、交通の発達していない田舎では物価がめちゃくちゃです。特産物だったり、隣県で生産されているものなどはもちろん安いですが、自県や近隣の県で賄えないものは輸送の手間がとってもかかっているので高いです。お店が少ないので価格競争が起こりにくいという分析をしてらっしゃる方もいます、一理あるかも。
  •  また、◯月1日発売の本が◯月4日に初めて店頭に並ぶ、とかも普通です。ネットでネタバレ踏みたくないな、みたいなタイプの人は相当辛抱して生活しています。映画も車で二時間かけて映画館に行かないと見たいものが見れない…とかあります。当然、コンサートや舞台といったイベントは超少ない。とにかく、娯楽がないです。趣味人には向いてないです。かといってテレビも選局の選択肢が少なく、スカパー!などを契約しないとテレビを娯楽としてあてにするのは厳しい。ドラマやバラエティを見るのが好き、あるいはアニメをよくみる、みたいな人は特に苦しいかも。そういった意味では、田舎ではウェイ系もオタクもみな一様に虐げられています。
 
3:貯蓄は十分ですか?
  •  雇用がないです。地元の人でも苦労しているのですから、「よそ者」は働き口がまずみつかりません。農業や林業ほど難しいものもないし、起業しても潜在的な顧客の数が少ないからなかなかうまくいかないし…。もっとも、「村の有力者」みたいな人の子供や孫はコネ採用してもらってたりします。コネ採用のあとで、余った枠が普通の人に解放されるのです。大っぴらにはできませんが、一部の公務員もコネ採用多かった(これは私の出身地域の話ですが)。あと、普通のデスクワーク、会社員 みたいな雇用はわずかです。会社員の知人はみんな全国転勤の大企業所属の人が多かったです。
  •  逆に、「作家だからPCとネット環境と郵便局があれば大丈夫」「介護士の資格を持っており、今後も介護業界に身を置く覚悟は出来ている」みたいな人なら大丈夫。介護はこちらでも重要です。都会より若者が少なくて老人は多いですし。
  • 同じ資格でも、弁護士とか公認会計士とかそういう資格はあまり必要とされていません。足りてます。そもそもそういう人にお世話になる案件がそんな多くないし。。。医者と看護師と薬剤師は地域差が大きいので言及できないです。
  • 車が不可欠なのでその維持費とか車検代とかガソリン代とかお金かかる。
  • 過疎地域の多くは、豪雪地帯であったり、逆に一年中暑すぎたり、天候に恵まれていません。(それが過疎の理由の一つですので。)暖房or冷房代などが想像以上に必要。
  • 「最悪半年くらい無職でも平気!」「いまはホワイトカラーの正社員だけど、移住先ではしばらくコンビニバイトになっても大丈夫!」くらいの気持ちと貯金が必要かと。
  
 
4:家族構成と家族のキャリアビジョンは田舎暮らしに向いていますか?
    *田舎移住に向いている家族構成の人 
  • 単身で、40代前半くらいまでの若い人。かつ、機会に恵まれないなら結婚できなくていいという覚悟がある人。→田舎では若い労働力が足りないので、若者は比較的歓迎されやすいです。でも、若い人が少ないということは出会いの機会も少ないということでもありますので、結婚願望の強い人に田舎移住はそんなにオススメできないです…。お見合いはムリ、恋愛結婚じゃなきゃ、って方にはさらにオススメできない。
 
  • 子どもを産み育てる予定のない若めのご夫婦  →若い方がいい理由は上の通り。では、なぜ子連れはやめた方がいいのか?という話ですね。       
 理由①田舎は子どもが少なすぎて、大人社会以上に田舎の子どもコミュニティは閉鎖的。遊ぶメンツもいつも同じです。子どもは特に正直ですし「訛ってなくてスカしてる、キモい」みたいなことも言われかねません。父や母の会社の全国転勤なら子どもさん自身も仕方ないと気持ちの折り合いがつくかもしれません。でも父母がただ田舎に住みたかっただけ、なんて巻き込まれている子どもからしてみれば知ったことじゃない。
 
②勉強やスポーツ、習い事の上達に向いている環境ではないということ。お子さんの大学・短大進学を望んでいるご家庭はまず田舎には来るべきではないです。塾も選択肢がなければ学校教師のレベルも低いですし、もちろん子どもの学力自体低い田舎が多いです。それらの全てにおいて、(人)数が少なくて競争が起こりにくいからです。スポーツについても同様で、人数・チーム数が少ないので切磋琢磨できる環境ではないです。大会に出られる人数ちゃんとチームメイトがいるかどうかすら微妙。競い高め合える友人も少なく、環境も整っていないので上手くなりにくい、ってことですね。勉強もスポーツやその他の習い事も、どうせ頑張るなら上を目指せる環境がいいのではないでしょうか。あと、田舎なら子どもが外遊びたくさんできる、というイメージがあるかもしれませんが、田舎だってDSやWiiが売っていないわけじゃないし、あまり都会と変わらないかと。
 
③上に似ているのですが、田舎は学校の選択肢が少ないです。都会では、いわゆる「ヤンキー」がいるのは「底辺校」とみんなにバカにされているようなところろが主でしょう。でも、田舎は学校の数が少ないので、一つの学校の中の子どもたちの学力や素行の幅がとても広いです。私は県内で一番偏差値の高い高校にいましたが、それでも 未成年飲酒・喫煙している同級生、禁止されているのに遊ぶお金の為に居酒屋バイトしている同級生…とかいました。学年の大半が大学に進学するような高校でしたが、そんな感じでした。都会は学校がたくさんあるから、子どもの学力や興味関心、素行に合わせて学校が選べるともいえます。上の文章を読んで、うーん。。。って思う方は子どもを田舎で産み育てるのは厳しい。
 
*田舎移住に向いていない家族構成の方
  • 定年後のご夫婦、というかご老人→絶対田舎に来るべきじゃないです。体がどんどん老いていくのに、慣れない地で車を安全に運転できますか?バスや列車は頼りになりません。用事もろくに済ませられないかも。あとは単純に、老いた人は田舎に多すぎて、「老人が増えても意味ねえよ」って歓迎されないってことですかね…。おじいちゃんおばあちゃんになってからつらい思いをして欲しくないです。
  • めっちゃ恋愛結婚願望のある若い人→理由は上の方に書いた通り。
  • 子連れのご夫婦→これも上に書きました。というか、大人の勝手な夢物語に子どもを巻き込むなんて…というのが正直なところです、子どももれっきとした家族の一員。何か決める前によく話し合いをすべき。それで、子どもさん自身が「移住は平気、万が一馴染めなくても強く生きる!」と覚悟できればいいのでしょうが、子どもにそんなこと考えさせる親って…。
 
 
以上が、田舎移住前の主なチェックポイントです。
脅しみたいになってしまいましたが、ほんとに、どんな不便なことがあってもそれを楽しむくらいのガッツがないと、都会から田舎に移住して、精神を普通に保つのは難しいと思います。
 
しかしながら、不便なことに耐えられても、最終的に必要なのは
「その町に自分たち家族の性格、雰囲気が合うか」ということだと思います。
ということで、次回は移住前に考えて欲しい性格面のチェック項目についてです!
 
ではまた。
新宿区新宿でした。